D978F863-981D-4BC3-B8B1-30A27E23F233
ご訪問ありがとうございます。

Wine Bar ETSUBO の内野です。


先日ご紹介のスペインのロゼワイン、モナステリオ・デラスビーニャス・ガルナッチャロゼで、「ブドウの収穫は早朝におこなう」とありました。

なぜ収穫するのが早朝なのか?

ふと疑問に思いましたので、いろいろと調べてまとめたいと思います。













1.なぜブドウ収穫のタイミングは深夜・早朝なの?

ワインを1本1本を詳しくみてみると、深夜から早朝に収穫するものをよく見かけます。

ワインのネット販売サイトの説明をみても、「ぶどうは早朝(深夜)に収穫!」とは書いてあっても、なんで早朝(深夜)に収穫するのか?その時間帯に収穫するとワインにどんな影響が出るのか?まではほとんど記載がありません。

そこで調べてみると、色々とわかってきましたのでまとめたいと思います。




2.研究、解明したのは日本のメルシャン

237E314C-6CC4-4336-9C54-1ADB63FA31A2
収穫のタイミングによるワインの味わいの違いを検索すると、一番最初に出てきたのがこちらの内容でした。

今から7年前、2012年11月、メルシャンが世界で初めての研究成果、
「ブドウ収穫タイミングの違いが前駆体3MH(3mercaptohexan-1-ol precursors)濃度へ与える影響」
を発表しました・・・という記事です。

だいぶ昔に、フランスあたりが解明したんだろうなーと安易に考えていたのでびっくりしました。

たった7年前、それも日本のメルシャンが発表していたんですね。




3.研究レポートの内容

AE4E32F2-DDEF-4C88-9BB3-F01C52D0FDDE

ASEV日本ブドウ・ワイン学会2012で発表された内容を引用させていただきました。

研究の背景
 ワインの品質は「ブドウありき」と言われるように、原料となるブドウの品質の影響が大きいと言われています。

また、いくつかのブドウ成分は、栽培環境や生育過程でその含有量に違いがあることが知られており、多くのワイナリーでは収穫のタイミングに細心の注意を払っています。
 
近年、ブドウ栽培にとって比較的温暖な地域では、収穫したブドウが熱くなり品質が低下することを防ぐため、ブドウを冷たい状態で収穫する「夜収穫(ナイトハーベスト)」を行うワイナリーが増加しています。

そこで当社は、この影響を科学的に明らかにすべく、ワインの香りの中でも柑橘系アロマとして知られている3MH(3メルカプトヘキサノール)の前駆体の含有量を一例として、植物生理の観点から日周性の影響を検討しました。


研究内容
 山梨県甲州市勝沼町のブドウ畑にて、「シャルドネ」、「ソーヴィニヨン・ブラン」、「リースリング」の果粒を1日の中で数時間おきにサンプリングし、前駆体3MHの含有量を比較しました。

また、早朝収穫と日中収穫のブドウを用いて実際に醸造試験を行いました。


研究結果
 研究の結果、ブドウ中の前駆体3MHの含有量は、深夜から早朝にかけて増加し、日中減少する傾向が認められました。

また、前駆体3MHの構成成分であるグルタチオンの量は、前駆体3MHの生成量に対応して増減していました。

実際に、これらのブドウを使ってワインを醸造した場合においても、早朝に収穫したブドウから造ったワインの方が、日中に収穫したブドウから造ったワインと比較してより多くの3MHを含んでいることが分かりました。

 これらの結果により、前駆体3MHを一例として「夜収穫(ナイトハーベスト)」という収穫方法の科学的有意性について世界で初めて明らかとすることができました。

 またこれまでの研究から、ブドウ中の前駆体3MHの含有量は環境ストレスモデルにより変動することも分かっており、これらの知見は、産地ごとの特徴(いわゆるテロワール)の存在理由を科学的根拠を持って解明できる可能性を有しています。


最後の方に書かれている、「産地ごとの特徴、いわゆるテロワールの存在理由」というのも気になりますね。

有名な話しではフランスのシャブリ地区で「昔、海だったところは土壌に貝などミネラル成分を含むので、その成分を根から吸い上げたブドウで造られるワインはミネラルを感じる」というものがあります。

また、海の近くの畑からは潮風の影響で、ブドウに塩分が含まれてワインも塩味を感じる、なんてのもありますが、どれも科学的根拠がなく、ホントのところはわからないという意見を聞きます。

しかし、このように一つ一つ科学的に解明されていくと、今まであいまいだったことが明確になって、なんか夢があるというか、ワインがより面白くなっていくので、とても興味深い記述ですね。

しかも、海外ではなく我が日本が解明した!ってのも嬉しいですよね。



4.まとめ


ブドウを深夜から早朝に収穫する理由は、


・日中収穫のブドウと深夜早朝ブドウはを比較すると、主に香りに違いが出る。

・気温が上がりブドウが温まると、果実が酸化しやすくなってしまう。

・深夜から早朝にかけて華やかな香り成分が増えていき、気温の上がる昼間に減少していく。


ということです。

ワイン造りは10年やっても、たった10回しか挑戦できないので、さまざまな方面からより良い方法を考えてブドウの栽培から瓶詰まで行われているんでしょう。

そう考えると、ワイン1杯のありがたさがちょっと変わりますね。

今後も、ワインの疑問をまとめていきたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。








・当店でもお世話になっている、おすすめワインがたくさん見つかります!




・こちらはワインだけでなく付属の資料も勉強になります。